エム・シーシー食品(株)は、業務用カレー、パスタソースなどの分野で長い歴史を持つ会社です。商品の開発力等は、積み上げた技術力があります。
しかし、家庭用食品の分野では、自社のオリジナルブランドはあまり確立しているとは言えない状況でした。~これからどういうコンセプトメイクをしていけばいいのか~ そんな中で、弊社に新しいカレーブランドのコンセプトと、個々の商品のネーミング、及びパッケージデザインづくりを依頼されました。
当社では、現状のレトルトカレーの市場をまずリサーチし、顧客層を分析、デザインの傾向について調査しました。(別表1参照)そして、その調査をもとに従来の表現と全く違う表現を用い、個性の強い、リピートの顧客に選ばれやすいデザインを提案しました。(別表2参照)
その提案はエム・シーシー食品(株)に大変ご納得頂きました。社員の方々にも潜在的に「大手の追随にならない、オリジナリティのある自社ブランドを作りたい」という思いがあったのです。そして、発売された結果、メディアの反応も高く、数十の雑誌新聞等に取り上げられました。(別表3参照)順調な滑り出しでした。しかし、発売してしばらくするとさらに予想以上の反応がありました。発売当初は、販路としては(価格も高いので)デパートや、質販店を販路にしていましたが、デパート・質販店で売れている商品を置きたいと、コンビニ・量販店からの引き合いが増えたのです。
いままで一般論として「量販店では顧客は値段にシビア」、「いかにもカレーらしいもの(大手の商品のイメージに近い物を求められる)でないと認知してもらえない」と言う固定概念がありました。しかし、低価格で類似したイメージの商品を開発していたのは、販売する側の思い込みだったのです。 もちろん、デザインの個性だけでなく、すぐに結果を求めず長期間販売し続けたこと、独特の味をつくったということもヒットの重要な要因だったと言えます。こうして、シリーズの中に新たに「100時間かけたハヤシ」も増えロングヒット商品になりました。
その結果、最近は100シリーズに影響を受けていると思われる商品が市場に目立ちはじめたようです。白地を生かしたもの、シェフのイラスト入れたもの、イラストと写真をからめたもの、、など。デザインの流れを変えることが出来たのは光栄なことだと言えるかもしれません。
発売から3年たち、デザインもマイナーチェンジしました。「100年前のカレー」も今は、正確には「103年前のカレー」です。